偶発症について
偶発症とは、医療上の検査や治療に伴い、
偶発的に生じる不都合な症状を指します。
(患者の体質・体調によることもある)
そして、顕在化する偶発症は、氷山の一角に過ぎません。
1.偶発症とは
インプラント治療は、科学的に裏打ちのされた素晴らしい治療法です。
ただし、施術時には危険な事故などが起きる可能性があるため、事前の検査や臨床上での配慮がとても重要です。
医療の現場では、『失敗』という言葉をあまり使いません。
例えば、無事にインプラントの埋入をして手術自体は成功したものの、口唇の神経に麻痺が残ってしまった・骨を作る際に感染を起こしてしまった。こんな時、これらを『偶発症』と呼んでいます。
インプラント治療の偶発症で大きく取り上げられる事項に、外科的な偶発症が挙げられます。これらには、神経の損傷や感染、細かい部品などの誤飲などがあります。
これらを防ぐために必要になるのは、
CT撮影を行い、三次元的な精査と治療計画を行う事、そして、事故の事前回避を努める様、時間をかけて安全性を確保した計画を立案する事です。
細かい部品の誤飲などは、咽頭にガーゼを敷いたり、器具に糸を結んでおくことなどで防ぐことが出来ます。
起こりうる問題を、手術前にしっかり除去しておく。
これが基本になります。
2.インプラント治療の際に考えられる偶発症
血管をドリルで傷つけてしまう
想定していたよりも深くドリル入ってしまったり、入れる方向を間違えると、顎の骨を貫通し、太い血管を損傷してしまうことがあります。
特に下顎の場合などは、内出血などに気が付かず、大量出血につながってしまうことも。
このようなことが起きないように、CT撮影による画像データに基づいた診査・診断を心がけます。具体的には、ドリルを入れる方向や位置を把握し、手術方針を十分に検討します。
これを行うことで、方向や深さなどを計測して、問題が生じないよう配慮をしておきます。
神経をドリルで傷つけてしまう
下顎のインプラントの際、想定していたよりも深くドリル入ってしまったり、画像からは確認できなかった細かい神経遷移などの損傷が原因で、皮膚や下唇、歯ぐきに痺れが残ることがあります。
副鼻腔(上顎洞)をドリルで傷つけてしまう
上顎の奥歯にインプラント治療を行う際は、注意が必要です。
ドリルが深く入ってしまうと副鼻腔を損傷してしまう恐れがあるのです。もし損傷を起こしてしまい、細菌感染が生じてしまうと、蓄膿症と呼ばれる副鼻腔炎となり、抗生剤の投与あるいはインプラントの除去が必要となることがあります。
術後に異常に腫れる、痛みが長く続く、傷が化膿するといった合併症
手術の際の傷が原因で細菌に感染してしまうと、異常な腫れと傷みが生じます。インプラント自体は滅菌された状態なのですが、インプラント埋入と同時に骨を移植したり、コラーゲン膜を併用することで感染のリスクがあがります。
無菌的操作や手際の良い手術、確かな技術などで回避することは出来ますが、患者様の身体的状況などでも影響が出ることがあります。例えば、糖尿病をお持ちの場合や、歯周病をお持ちの場合、プラークコントロール(歯磨き)の状態が悪い場合、喫煙習慣の影響などが挙げられます。
インプラント部品等の誤飲
小さな部品の誤飲は、咽頭にガーゼを敷く、器具に糸を結んでおくことなど、事前の対策で回避が可能です。しかし、患者様の喉が大きく開いていたり、感覚が鈍っている時は反射反応が起きずに誤飲してしまうこともあります。
3.当医院がとっている偶発症対策
様々なケースが考えられる偶発症の対策には、発生時の対処を常に想定しておく必要があります。
当医院では、
・CTやガイドを用いて、徹底した診査診断を行う
・静脈内鎮静法を麻酔科専門医のもとで行う
・器材の滅菌や、オペ室を完備してクリーンエリアを作る
・認可された安心できるインプラントの使用(1本10万円以下の粗悪品の回避)
・洗練された高性能の機材、最新の機材を導入している
・定期的なスタッフ教育を行い、意思疎通、情報共有を図る
・技術研鑽を怠らない姿勢と、研修を課題に義務づけている
・偶発症が起きた時の、他医院や大学病院との連携体制
・難症例の場合、外部医師達との症例検討を実施している
・医科との連携
・適切な口腔内環境を整えてからでないと手術はしないという体制の徹底
インプラント治療前の歯科用CTによる診査診断と検査
CTを使った3次元撮影をすることで、今までわかるづらかった骨の状態・神経の位置・病巣の状態などが把握でき、適切な診断が可能となります。
また、患者様と一緒にCT画像を見ながらわかりやすくご説明させていただくので、ご納得して治療を受けていただけるのも患者様へのメリットの1つと言えます。安心安全で、かつ最善の医療を受けていただけます。
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血管神経等をなるべく損傷させない為、最新の器具の使用
インプラント治療に対して、『怖い』というイメージのある患者様、骨が不足していることで治療を諦めていた患者様のため、骨移植など大きな処置に対して低侵襲(ダメージが少ない)処置が可能な最新の器具を導入しております。世界的にも最先端で安全性が非常に高い機械です。
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常に最新の歯科医療を提供できるよう、精力的に国内外のセミナーに参加しています
インプラント学会講演 | 2013年6月のイタリア研修 |
私は歯科医になって以来、休むことなく診療経験を積み、診療以外でも国内外の学会や、著名な有数のトレーニングコースで多くを学んでまいりました。ハイレベルな医療にも携われるよう、国内トップクラスの先生や大学病院と連携を取りながら現在も邁進しております。
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あべひろ総合歯科は、地域貢献のため、新患さん・急患さんを随時、受け付けております。
地域の支援と患者さん一人ひとりをしっかり診ていく、という診療方針を掲げ、近隣の流山市や草加市、都内などからも来院頂ける歯科医院に成長してきました。
基本を忘れず、すべての患者さんに対して、そして自分自身に対して正直でありたいと考えております。お口のことなら何でもお気軽にご相談ください。