人道支援のためドミニカ共和国へ
埼玉県三郷市のあべひろ総合歯科、院長の阿部ヒロです。
11月3日から3日間という短い期間でしたが、北中米カリブ海のドミニカ共和国へ行ってまいりました。目的はインプラント治療を現地住民へ還元することです。また、集まった世界中の先生方が専門医を目指すための技術支援もしてきました。
今回の人道支援と技術指導が高く評価され、世界的に高名な再生療法の先導者でこの施設長であるDr.Arun K.Gurg(アラン・カーグ)からインプラント認定専門医の表彰をいただきました。真に光栄であります。
ドミニカやハイチのみならず、他の諸外国からも海を渡り山を越え、お困りの患者さんたちが今回の施設にやってきます。医療制度が整っていないドミニカでは、歯が痛くなったとき、問題が生じたときの第一選択肢が抜歯になることが多いといいます。それは、医療費が一番安く、早く済むという理由から。歯を修復する、保存するという概念が浸透していないのでしょう。歯を失って初めて気がつくその大切さは万国共通です。本来は歯を失わないためのケアや予防という考えを定着させたいのですが、発展途上国ではなかなかその余裕が無いのか、生活に支障がないのでそのまま自然に生きているといった感じです。教育レベル上、啓発運動というものがないのでしょうか。
施設内では、世界各国から集結した歯科外科医(ビギナーからアドバンス、指導者まで)が患者さんの長蛇の行列に対応しました。朝8時から夜9時までぶっ通しのオペ三昧でした。体力的にきついと思っていましたが、高い集中力と使命感、なにより患者さんのあふれる笑顔に支えられました。非常に感謝され、意気揚々とハイテンションで言葉の壁を越えて、気持ちを全身で表現してくださる。そして、そこにリスペクトが存在し、歯科医師をやっていて良かったな、と思える原点がここにはありました。もともとは“感謝”といえば日本の伝統的文化ですよね。ここにも表現の仕方が違うにせよ、感謝の気持ちってすごくいいなと思えました。
話がそれて、愚痴ではないのですが・・・最近の日本ではどうでしょうか? やってもらって当たり前。世界ワースト2位の保険制度に甘んじて、日本は歯科医師の慈善事業によって歯科医療が成り立っている。しかし、それを日本国民には知らされていない現実です。なぜなら、政治に直結するから。医療費を削減するための予防や啓発には最低限のお金すらかけてくれない。でも、医療費は毎年削減されます。保険点数も処置したことさえ算定できず、極めつけは消費税が8%になっても材料費診療費の消費税は算定できずに歯科医師たちを苦しめている。また医療に対する理解も日本はとても低いのが現状です。先進国とは思えないほど啓発されていない。それで良いDrが育つはずもない。そんな実情を日本国民は知りません。歯科医師がなりたくない職業の上位ランクに位置するのは日本だけです。
ほんの少しの違和感や痛みだけでクレームになるのも日本だけ。適切な医療と患者の満足とは、結びつかない相反するところでもあります。あべひろ総合歯科の理念は「患者さんのために!」と謳っています。患者さんが健康である。医学としての考え方が正しい。将来を考慮して対応するのは、あべひろ総合歯科にとっての患者さんのため!と定義しています。ある歯科医院では、疾患があっても患者さんに適切に伝えない、また見抜けない。患者さん満足度を上げるために、痛くない方法やダメージの少ない方法をとるのは私も賛成ですが、治さないことを正当化したり、心象・印象ばかりを優先して医療の根源を見失ってはいけないと考えています。 実際問題、最近セカンドオピニオンに来院する患者さんが増えおり、他の歯科医院でそのようなことが起きているのはとても残念に思います。
ともあれ歯科医療を、そしてインプラント外科学を最前線で学んできて本当に良かったなと思える瞬間が、私のモチベーションをさらに高めてくれます。
さて、ビギナーのDrにとっては患者さんを通して実体験するトレーニングではありますが、私を含めたベテラン陣がそのアシスタントやサポートにつき、技術力や考え方、診査診断をレクチャーもします。インプラント外科学、そしてこの治療は、技術以上にその診査診断や考え方のほうがずっと重要だからです。
ここだけの話、アルゼンチンから来たベテランの大学口腔外科教授と激しいディスカッションになりました。外科的なことだけではなく、その後の修復再建、審美、予後を考えてアプローチをしなくてはならないからです。医療提供といっても、単に患者さんをたらい回しにしたり、いたずらに実験よろしく何度もオペをするのはナンセンスだからです。ドミニカにまで来て年功序列で引き下がる必要が無かったためです。これ日本だと大変なことになりますが・・・(笑
ともあれ、ビギナーのやり方だと何に迷って何がリスク因子になるかを再確認できたし、ベテラン外科医からも考え方やアプローチの仕方など参考になるところも多かったし、また、私の学習曲線を高めたに違いありません。
一つひとつ丁寧にかつすばやく適切なインプラント治療を行っていくのですが、なにせ患者さんの人数が多すぎて、回りきりませんでした。はるばる遠方から来て朝から待っているのに、夜9時には終わってしまうので、最後まで順番が回ってこない方もいました。私たち非力な“国境なき医師団”も悔やむ瞬間です。
この経験は、きっと日本でも役立つと思うし、私の志がより高くなったことは確かです。今後も技術研鑽のみならず、最新の医療知見とサイエンスを学びながら、日常臨床に望みたい意気込みです。
この場をお借りしてだけど、一週間、医院を留守にして対応してくれた勤務医先生方、そしてスタッフの方々に感謝! また私が診療を休むことで患者さんの待ち時間が長くなることに関して、心からお詫び申し上げます。
~ドミニカ共和国の豆意識~
ドミニカ共和国は北中米カリブ海に浮かぶ島国でコロンブスの新大陸“発見”の場所。緯度はグアムとほぼ同じで北回帰線上にあり、気候は熱帯サバナ気候です。隣国はハイチで、経済破綻している発展途上国。貧困の差が激しいです。
人口:1千万人
国土面積:九州と同じくらい
母国語:スペイン語
通貨:ペソ/USドル
この国には紀元前から先住民インディアナが存在していましたが、1492年にクリストファー・コロンブスがヨーロッパ人としてこの島に初めて上陸し、新大陸発見となり、「スペインの島」(スペイン語: La Isla Espanola)エスパニョーラ島と名づけられたことが始まりです。米州で最初にヨーロッパ人が恒久的に定住した土地であり、 その後のスペインの侵略拠点となり植民地化された歴史を持っています。
~ちょっと一息~
診療が終われば、懇親会やその後のアフターも大事なコミュニケーションの時間です。Welcomeパーティーではドミニカでも有名な鍾乳洞のレストランへ。南米産のワインが程よく利いて一発ノックアウト!オペに続いてワインが入ったら、さすがに睡魔に襲われました・・・。
カジノで悪さをしようと思ったのですがあえなく撃沈(笑
~新しい骨再生療法~
多血小板血漿(PRP)という方法があります。これは採決した血液を遠心分離機で濃縮血小板を沈殿させて、その濃縮血小板を欠損部に入れる、もしくは人口骨や自家骨と混ぜて使用します。2000年初頭、世界的に普及し流行した方法です。もちろんあべひろ総合歯科でも行っていますし、2012年にフランスのニースで再生療法のトレンドを追って研修に行った時には、PRPをより発展させたCGF療法を学び、導入しています。このCGF(Concentrated Growth Factor)再生療法は、アレルギーや感染のリスクも少なく、より骨造成を増殖させる成長因子として注目を浴びている治療法です。
11月3日から3日間という短い期間でしたが、北中米カリブ海のドミニカ共和国へ行ってまいりました。目的はインプラント治療を現地住民へ還元することです。また、集まった世界中の先生方が専門医を目指すための技術支援もしてきました。
今回の人道支援と技術指導が高く評価され、世界的に高名な再生療法の先導者でこの施設長であるDr.Arun K.Gurg(アラン・カーグ)からインプラント認定専門医の表彰をいただきました。真に光栄であります。
ドミニカやハイチのみならず、他の諸外国からも海を渡り山を越え、お困りの患者さんたちが今回の施設にやってきます。医療制度が整っていないドミニカでは、歯が痛くなったとき、問題が生じたときの第一選択肢が抜歯になることが多いといいます。それは、医療費が一番安く、早く済むという理由から。歯を修復する、保存するという概念が浸透していないのでしょう。歯を失って初めて気がつくその大切さは万国共通です。本来は歯を失わないためのケアや予防という考えを定着させたいのですが、発展途上国ではなかなかその余裕が無いのか、生活に支障がないのでそのまま自然に生きているといった感じです。教育レベル上、啓発運動というものがないのでしょうか。
施設内では、世界各国から集結した歯科外科医(ビギナーからアドバンス、指導者まで)が患者さんの長蛇の行列に対応しました。朝8時から夜9時までぶっ通しのオペ三昧でした。体力的にきついと思っていましたが、高い集中力と使命感、なにより患者さんのあふれる笑顔に支えられました。非常に感謝され、意気揚々とハイテンションで言葉の壁を越えて、気持ちを全身で表現してくださる。そして、そこにリスペクトが存在し、歯科医師をやっていて良かったな、と思える原点がここにはありました。もともとは“感謝”といえば日本の伝統的文化ですよね。ここにも表現の仕方が違うにせよ、感謝の気持ちってすごくいいなと思えました。
話がそれて、愚痴ではないのですが・・・最近の日本ではどうでしょうか? やってもらって当たり前。世界ワースト2位の保険制度に甘んじて、日本は歯科医師の慈善事業によって歯科医療が成り立っている。しかし、それを日本国民には知らされていない現実です。なぜなら、政治に直結するから。医療費を削減するための予防や啓発には最低限のお金すらかけてくれない。でも、医療費は毎年削減されます。保険点数も処置したことさえ算定できず、極めつけは消費税が8%になっても材料費診療費の消費税は算定できずに歯科医師たちを苦しめている。また医療に対する理解も日本はとても低いのが現状です。先進国とは思えないほど啓発されていない。それで良いDrが育つはずもない。そんな実情を日本国民は知りません。歯科医師がなりたくない職業の上位ランクに位置するのは日本だけです。
ほんの少しの違和感や痛みだけでクレームになるのも日本だけ。適切な医療と患者の満足とは、結びつかない相反するところでもあります。あべひろ総合歯科の理念は「患者さんのために!」と謳っています。患者さんが健康である。医学としての考え方が正しい。将来を考慮して対応するのは、あべひろ総合歯科にとっての患者さんのため!と定義しています。ある歯科医院では、疾患があっても患者さんに適切に伝えない、また見抜けない。患者さん満足度を上げるために、痛くない方法やダメージの少ない方法をとるのは私も賛成ですが、治さないことを正当化したり、心象・印象ばかりを優先して医療の根源を見失ってはいけないと考えています。 実際問題、最近セカンドオピニオンに来院する患者さんが増えおり、他の歯科医院でそのようなことが起きているのはとても残念に思います。
ともあれ歯科医療を、そしてインプラント外科学を最前線で学んできて本当に良かったなと思える瞬間が、私のモチベーションをさらに高めてくれます。
さて、ビギナーのDrにとっては患者さんを通して実体験するトレーニングではありますが、私を含めたベテラン陣がそのアシスタントやサポートにつき、技術力や考え方、診査診断をレクチャーもします。インプラント外科学、そしてこの治療は、技術以上にその診査診断や考え方のほうがずっと重要だからです。
ここだけの話、アルゼンチンから来たベテランの大学口腔外科教授と激しいディスカッションになりました。外科的なことだけではなく、その後の修復再建、審美、予後を考えてアプローチをしなくてはならないからです。医療提供といっても、単に患者さんをたらい回しにしたり、いたずらに実験よろしく何度もオペをするのはナンセンスだからです。ドミニカにまで来て年功序列で引き下がる必要が無かったためです。これ日本だと大変なことになりますが・・・(笑
ともあれ、ビギナーのやり方だと何に迷って何がリスク因子になるかを再確認できたし、ベテラン外科医からも考え方やアプローチの仕方など参考になるところも多かったし、また、私の学習曲線を高めたに違いありません。
一つひとつ丁寧にかつすばやく適切なインプラント治療を行っていくのですが、なにせ患者さんの人数が多すぎて、回りきりませんでした。はるばる遠方から来て朝から待っているのに、夜9時には終わってしまうので、最後まで順番が回ってこない方もいました。私たち非力な“国境なき医師団”も悔やむ瞬間です。
この経験は、きっと日本でも役立つと思うし、私の志がより高くなったことは確かです。今後も技術研鑽のみならず、最新の医療知見とサイエンスを学びながら、日常臨床に望みたい意気込みです。
この場をお借りしてだけど、一週間、医院を留守にして対応してくれた勤務医先生方、そしてスタッフの方々に感謝! また私が診療を休むことで患者さんの待ち時間が長くなることに関して、心からお詫び申し上げます。
~ドミニカ共和国の豆意識~
ドミニカ共和国は北中米カリブ海に浮かぶ島国でコロンブスの新大陸“発見”の場所。緯度はグアムとほぼ同じで北回帰線上にあり、気候は熱帯サバナ気候です。隣国はハイチで、経済破綻している発展途上国。貧困の差が激しいです。
人口:1千万人
国土面積:九州と同じくらい
母国語:スペイン語
通貨:ペソ/USドル
この国には紀元前から先住民インディアナが存在していましたが、1492年にクリストファー・コロンブスがヨーロッパ人としてこの島に初めて上陸し、新大陸発見となり、「スペインの島」(スペイン語: La Isla Espanola)エスパニョーラ島と名づけられたことが始まりです。米州で最初にヨーロッパ人が恒久的に定住した土地であり、 その後のスペインの侵略拠点となり植民地化された歴史を持っています。
~ちょっと一息~
診療が終われば、懇親会やその後のアフターも大事なコミュニケーションの時間です。Welcomeパーティーではドミニカでも有名な鍾乳洞のレストランへ。南米産のワインが程よく利いて一発ノックアウト!オペに続いてワインが入ったら、さすがに睡魔に襲われました・・・。
カジノで悪さをしようと思ったのですがあえなく撃沈(笑
~新しい骨再生療法~
多血小板血漿(PRP)という方法があります。これは採決した血液を遠心分離機で濃縮血小板を沈殿させて、その濃縮血小板を欠損部に入れる、もしくは人口骨や自家骨と混ぜて使用します。2000年初頭、世界的に普及し流行した方法です。もちろんあべひろ総合歯科でも行っていますし、2012年にフランスのニースで再生療法のトレンドを追って研修に行った時には、PRPをより発展させたCGF療法を学び、導入しています。このCGF(Concentrated Growth Factor)再生療法は、アレルギーや感染のリスクも少なく、より骨造成を増殖させる成長因子として注目を浴びている治療法です。
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あべひろ総合歯科は、地域貢献のため、新患さん・急患さんを随時、受け付けております。
地域の支援と患者さん一人ひとりをしっかり診ていく、という診療方針を掲げ、近隣の流山市や草加市、都内などからも来院頂ける歯科医院に成長してきました。
基本を忘れず、すべての患者さんに対して、そして自分自身に対して正直でありたいと考えております。お口のことなら何でもお気軽にご相談ください。