たとえば小臼歯を抜いて矯正治療するケースは少なくないのですが、抜けてできた隙間を利用して歯と歯が歩み寄るように並びます。その際、あごの骨が余ってしまわないのか、と疑問に思われていることとお察しいたします。

まずは、こちらの模式図をご覧ください。

こちらは私たちが歯科の大学で習う、歯を移動する力が持続的に加わった場合の模式図です。
前稿の「どうして歯がうごくの？」でも少しお話しさせていただいておりましたが、歯の移動には骨代謝が大きく関与しております。
持続的な弱い力が加わると、移動したあとの骨は吸収され、あごの骨が残ることは通常ございません。

次に、こちらの私が担当させていただいた患者様の症例（横顔のレントゲン写真）をご覧ください。

上下左右の第一小臼歯を抜いて矯正治療を行いましたが、あごの骨は残ることなく、口元がすっきりしている状態をご確認いただけるかと存じます。

いかがでしたでしょうか？
矯正治療の疑問点解消につながれば、幸いに存じます。