マウスピース矯正とは、上下別々の透明なマウスピース型矯正装置を１日２２時間以上毎日継続して装着し、歯にきちんとフィットするよう圧接するためのチューイーの使用も毎日必要とする、患者様ご自身の装置管理のもと歯を動かす矯正治療方法の１つです。
最近では、さまざまな歯科業社がこのマウスピース矯正に取り組んでおります。わずかに移動する前歯の整列のみに適応となるマウスピース矯正や、奥歯も動かすことを可能としたマウスピース矯正などさまざまですが、小臼歯を抜いて歯を移動する必要のあるかみ合わせの問題（不正咬合）には不向きな場合も多くございます。
その点においては、ブラケット・ワイヤーによる矯正治療が、歯を動かす矯正治療方法の中で最も適応範囲が広いのが現状です。
マウスピース矯正の治療途中には、ブラケット・ワイヤーによる矯正治療を組み合わせる必要が生じたり、歯の動きに時間がかかり治療が数年延長したりする可能性はありますが、透明で目立たない装置であるばかりでなく異物感も少ないといったメリットもございます。
今後、ますます種類が豊富になると思われるマウスピース型矯正装置ですが、製造過程は、歯の模型をスキャンして３Ｄ化し、歯の動きを熟知した矯正医によるコンピューター治療再現を個別に行い、治療目標に向かって徐々に移動するよう設計し、連続したマウスピース型矯正装置を何十～何百個と作製していくことで、おおよそ一致してきているようです。
いままで矯正装置に抵抗のあった患者様にも、きれいな歯並びを得られる『きっかけ』となるかも知れません。

例）某大手株式会社のマウスピース型矯正装置

左上：マウスピース型矯正装置（透明色）
左下：チューイー（緑色）
右：紛失や破損を防ぐためのケース（黄色）